オウンドメディアを正しい方向に成長させたいと考えるのならば、SEOを理解しておかなくてはいけません。SEOは、あらゆるWEB上の活動に不可欠になる知識です。当たり前のように利用している多くの情報サイトやショッピングサイトには、必ずこのSEOの知識とスキルが応用されています。集客だけではなく結果的に利益を伸ばすための手段としても有効であり、間違ったことをしてしまうと検索エンジンから嫌われてしまう可能性もあります。ですから、オウンドメディアを検索エンジンから高く評価してもらうためにも、SEOを正しく理解しておきましょう。
【SEOのターゲットは検索エンジン】
多くのユーザーは、自分が探したい情報を見つける時に検索エンジンの検索窓を利用します。検索窓に特定のキーワードを打ち込むと、最も関連性が高く評価が良いと判断されたサイトが上位に表示されます。実は、こういった検索順位の結果は検索エンジンが用意している機械的な判断基準によって決められています。検索エンジンを運用管理している人間がその都度評価しているわけではなく、あらかじめ決められた基準を満たしているかどうかで決まっているわけです。そして、この検索順位はユーザーからの外部的な操作によって意図的に変化させることが許されています。自分の保有しているサイトなどのメディアを自分の都合の良いように評価を変更するわけです。実際に、検索エンジンを管理している大手のIT企業は、ユーザー側に対してルールを設け、そのルールの範囲で自由に活動することを認めています。こうした、検索エンジンの順位を意図的に変動させることを検索エンジン最適化、略してSEOといいます。SEOを行うと、自分の保有するメディアを検索エンジンの上位に掲載できるようになりますので、新規ユーザーの獲得はもちろん、そこから大きな利益の拡大を目指すこともできるようになります。つまり、SEOを行うときのターゲットは検索エンジンなのです。オウンドメディアでは、ターゲットをユーザーに絞って商品やサービスの宣伝を行うことが基本です。一方で、SEOではターゲットを検索エンジンに限定して、検索エンジンに高く評価してもらうために行動をします。この違いは、オウンドメディアとSEOの基本的な部分ですので必ず理解しておきましょう。
【コンテンツを重視しないと評価されない】
SEOの評価の基準は、実は詳細には明かされていません。一定の基準が存在することはわかっているものの、検索エンジンを管理している企業がSEOのアルゴリズムを公開していないためです。ただ、数多くの有志が様々な情報を集め、その統計的なデータによってどのような手法が効果的なのかはある程度解析されています。その最たるものが、コンテンツの充実です。オウンドメディアを構築する際にも、内部コンテンツの充実は非常に重要だと考えられています。これは、コンテンツを充実させれば自然と検索エンジンから高い評価を得られる可能性があることがわかっているからです。例えば、単純なテキスト量の多さでも高く評価されます。多くのテキストを有しているメディアは、それ以外のメディアと比較して最大で2倍から3倍程度の評価を獲得することが報告されています。つまり、オウンドメディアのコンテンツを充実させていけば自然と検索エンジンの評価も高くなることを意味します。ただ、コンテンツを作成するときにはテーマとキーワードを絞って作っていくことが非常に重要になります。これは検索エンジンが、専門性を高く評価するという傾向があるからです。専門的に一部分のテーマとキーワードに絞ってコンテンツを構築していくと、それだけで高い評価を得られるようになります。一方で、複数のテーマに分散させてコンテンツを作ってしまうと、そのサイトには充実した情報が存在しないと判断されてしまいます。ですから、オウンドメディアを構築するときには検索エンジンのこうした性質に合わせて、目標とターゲットを限定してコンテンツを構築していくことが求められるのです。
【時間をかけてメディアを成長させよう】
検索エンジンに好まれる判断基準がある一方で、当然嫌われてしまう手法も存在します。代表的なものは、短期間の情報操作と外部へのリンクの2つです。まず、検索エンジンはスパムなどの迷惑行為に対抗するために、短期間による情報操作を非常に嫌っている傾向があります。コンテンツが重要視されるようになったのも、過去に悪意のあるユーザーが短期間で悪質なサイトを検索エンジンの上位に掲載させてしまったからに他なりません。同じ理由で、外部へのリンクに関しても気を付ける必要があります。これに関しては、誤解をしている人も非常に多い現状なので間違わないように注意をしておくことです。例えば、従来まで効果のあった相互リンクなどのURLを貼りつける行為は、現在では高い評価を得られません。検索エンジンが高く評価しているリンクは、外部から自分のメディアに一方通行でやってくるものだけです。こういったリンクを、被リンクといいます。つまり、相互に影響を与え合うような方法は現状では古い方法だと判断できます。そして、こういった一方通行的な被リンクを貼り付ける時にも、実は長い時間をかける必要があるのです。短い期間で被リンクを大量に獲得すると、そのメディアは不正な操作を行っているメディアであると判断される可能性が高くなります。良質な被リンクを長期間で獲得し続けるメディアこそが、良い情報を発信していると判断されるわけです。そのため、コンテンツにしても被リンクにしても、現状のSEOではメディアを時間をかけて成長させていく必要があることがわかります。
【オウンドメディアの目的をどう扱うかで答えは変わる】
SEOの方向性は、オウンドメディアの方向性と明確に連動しています。なぜこういった連動性を確認できるのでしょうか。そもそも、SEOとオウンドメディアでは検索エンジンとユーザーで対象が違います。確かに、オウンドメディアを利用して多くのユーザーを集めたいと考えている時にはSEOは有効活用できます。一方で、オウンドメディアを利用して既存客への売上を向上させたいと考えている時には実はSEOはそれほど重要ではないことがわかります。これは、SEOが利益の向上ではなく検索エンジンへの評価の向上を目的としているからです。SEOで利益が向上するのは、結果的にそうなるだけということを忘れてはいけません。オウンドメディアには様々な選択肢が存在していて、新規顧客を獲得したり検索エンジンからユーザーを呼び込むことも確かにできます。しかし、それはオウンドメディアのメリットのほんの一面にしかすぎません。オウンドメディアに存在する多くのメリットの1つに、SEOと同じ方向性のあるものが存在するにすぎないわけです。そのため、オウンドメディアの方向性とSEOの方向性が合致していないのならば、無理にSEOを利用する必要はありません。反対に、オウンドメディアを用いて最大限に集客をしたいと考えている時には、内部対策と外部対策の双方からオウンドメディアのコンテンツを作成していく必要があります。オウンドメディアとSEOのこの方向性の違いの基本をしっかりと理解しておけば、非常に効率的なメディア運営を行っていけるようになるでしょう。
SEOは、好き勝手に行えば良いものではありません。検索エンジンが求める基準を満たして、検索エンジンを納得させるだけのコンテンツを作り上げていく必要があります。そして、その上でオウンドメディアをより多くの人に周知してもらうために役立てるようにすることが大切です。ただ、その手法をどのように扱うかはオウンドメディアの目的によって大きく異なるという側面も忘れてはいけません。SEOはオウンドメディアの複数存在する目的の1つにすぎませんので、最大限に活かすためにもどのような方向性で利用するのかを必ず決めておきましょう。