オウンドメディアを作る前に「目的」を明確にしておきましょう!

オウンドメディアは、自社専用のメディアとして情報を顧客に提供するサービスです。上手く活用できれば多くの顧客を獲得することができますし、何よりも自社の利益を向上させることができます。ただ、このような効果を最大限に発揮するためには、自社のオウンドメディアをどのような目的で利用するのかを決めることが重要になります。単純にメディアを準備してそのままコンテンツを軽視した情報を提供し続けても意味がありません。オウンドメディアには多種多様な選択がありますので、正しい選択をしてより大きな効果を発揮できるように工夫をする必要があるのです。

【自社専用のメディアを持たなくてはいけない理由】

オウンドメディアを立ち上げるときには、なぜそのようなメディアが必要になったのかという理由をはっきりさせておく必要があります。例えば、一定の顧客は付いているものの考えていた以上に売上が伸びないため、そういった見込み客に対する売上をさらに向上させたいと考えているケースがあるとします。この場合、既に存在している顧客に対してもっと具体的で優良な情報を提供することを目的としなくてはいけません。
外部から顧客を集めることを考える必要はありませんので、自社の製品であるのならば多少昔の製品であっても、真摯に良い情報を提供し続けることが大切になります。反対に、このような顧客そのものが付いていないケースでは、まずオウンドメディアを利用して顧客を集めるように工夫をしなくてはいけません。つまり、顧客を集めることそのものを目的としてコンテンツを作成していく必要があります。
この場合、自社の製品情報などは後回しにすることが重要です。顧客を集めることを考える場合には、初めて情報を見る人にとってわかりやすくて伝わりやすいコンテンツを心がける必要があります。他のサイトでは存在しないような最新の情報を提供することで、多くの顧客を集めることができる可能性が存在します。このように、オウンドメディアを立ち上げる際にはなぜそれが必要なのか、なぜサービスを提供しなくてはいけないのかという理由が必要です。ただ何となくメディアを立ち上げてしまうと、メディアの維持管理だけでもコストが大きく必要になりますので注意しましょう。

【見込み客への情報提供を目的とするときのポイント】

見込み客に対してオウンドメディアを利用した商品の紹介を行うときには、1つ注意が必要なポイントがあります。それは、検索エンジンからやってくる顧客に対してはそれほど神経質にならなくて良いという点です。見込み客への商品紹介をオウンドメディアの目的とした場合、考えられる展開としては2つあります。
まず、直接的にオウンドメディアにやってくるいわゆる固定ユーザーへの展開です。見込み客である場合は、既に自社の情報をある程度は理解してくれていることが多いため、こういった顧客に対してより良い情報を提供することで将来的な売上の向上に繋げることができます。そして、もうひとつが検索エンジンを利用してオウンドメディアにやってくる顧客への展開です。実は、見込み客を相手にする場合には検索エンジンを利用してオウンドメディアにやってくる人は非常に少ないという背景があります。これには、特徴的な根拠が存在します。
近年、携帯デバイスやPC上のブラウザ機能が発達したことによって、必要な情報に関してはお気に入りやブックマークなどといった手段で手軽にまとめることができます。実際に、民間の調査では携帯デバイスで自身が既に懇意にしているサイトに行くときには、実に8割近くの人がブックマークを利用しているというデータも発表されています。
つまり、検索エンジンからやってくる見込み客というのは全体の半数どころか3分の1にも満たないユーザーだということがわかります。見込み客への情報展開を目的とした場合には、こういったどのような手段で自社のメディアにやってくるのかという点にも注目をしておく必要があるのです。

【顧客の獲得を目的とする場合の注意点】

顧客の獲得を目的としてオウンドメディアを提供する場合には、ターゲットに関しても十分に注意をしなくてはいけません。オウンドメディアの最大の利点は、検索エンジンを通じずに顧客に対して情報をアピールできる点にあります。オウンドメディアは自社保有の専用のメディアですので、検索エンジンに最新の情報を提供しなくても、見込み客が存在していれば売上の向上に繋げることができる可能性があります。
つまり、元々は検索エンジンに依存しなくても結果を出すことができるポテンシャルを持っているのです。一方で、顧客を獲得するときには検索エンジンから検索を行ってやってくる新規のユーザーに向けて情報発信を行わなくてはいけません。こうなると、見込み客向けへの情報と新規のユーザーに対する情報を必ず分けて考えなくてはいけなくなります。
オウンドメディアは、自社製品に関連する古くなった情報もずっと掲載させ続けることができるため、検索エンジン最適化に重要になる情報の新鮮さをそれほど考慮する必要がありません。一方で、新規のユーザーを獲得するのならば新鮮な情報を含めてコンテンツを作成していく必要がありますので、これら2つの折衷案を必ず考える必要があるわけです。新規のユーザーを獲得して新しい固定ユーザーになった場合には、今度はそのユーザーに対してより優良な情報を届けなくてはいけません。
ですから、顧客の獲得を目的としている場合には、検索エンジンに注意をしながらも付いてくれた固定ユーザーを手放さないための対策を同時に進めていくことが大切になります。

【SEO的な視点は捨てて考えることが大切】

オウンドメディアにSEO的な手法を取り入れて活かそうと考える人は少なくありません。確かに、SEOを実践すれば自社が保有するメディアを検索エンジンの上位に掲載させることができる可能性は高くなります。
しかし、こういった手法が大切になるのは見込み客が全く存在しない、あるいは新規のユーザーを獲得する必要性が必ず存在するケースに限定されます。そもそも、オウンドメディアは一定の顧客さえ存在すれば検索エンジンが無くても独立して情報を提供できる強みがあります。これは、ブックマークの登録やソーシャルメディアとの連携が容易になるからです。
つまり、オウンドメディアというのは既に存在している顧客に対する情報提供に強く、人間に対する情報提供を目的としてコンテンツを作っていく方が効率が良いことがわかります。一方で、SEOというのは基本的にユーザー、つまり人間への対策として実行するものではありません。SEOは、検索エンジンが採用している機械的な判断基準を満たす目的で行われることに意味があります。SEOにはオウンドメディアと異なって選択肢が多くあるわけではなく、目的がたった1つに絞られています。機械に評価してもらうことを第一の目的にしているわけですから、人間に評価してもらうためにサービスを提供するオウンドメディアとは目的そのものが違います。
そのため、オウンドメディアの目的が既に存在する見込み客への情報発信にあるのならば、SEO的な考え方は捨てても全く問題になりません。少なくとも、長期的な目線で考えれば目的を明確にしてオウンドメディアを提供している限り、売上を向上できる可能性は十分にあるでしょう。

目的を明確にしてオウンドメディアを運営していくことは非常に重要です。目的がわからないとコンテンツを作る動機もわからなくなってしまいますし、間違ったSEO対策を実行してしまう可能性もあります。特に、見込み客が既に存在する場合には曖昧な情報を提供し続けることで、逆に顧客が離れてしまうケースも考えられます。目的を決めておけば、このような事にはなりませんし、新規顧客の獲得に関してもコンテンツとSEOを分けて検討できるようになります。自社専用に用意されたオウンドメディアは、コンテンツ次第で検索エンジンに依存しなくても情報を常に発信できる非常に有力なツールに変わるのです。

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