コンテンツマーケティングを企画として認めてもらうためには、事前に詳細な道筋を立てておく必要があります。企画を提案したとしても、その提案が上司やクライアントに納得してもらえないのでは意味がありません。コンテンツとマーケティングは密接に関連しているものであり、双方ともに詳細な分析が非常に大切になります。実際に、対策を行う会社が10社あれば、10社ともにそれぞれ違った対策が存在するのが普通です。そのため自社の現状の分析から始めて、そこからどのようなゴールに向かって企画を作っていくのかをまずは考えることが大切になります。
【自社の現状を分析することから始めよう】
コンテンツマーケティングを始める前に、必ず自社の業績や集客の現状などを分析しておかなくてはいけません。企画を説明するにしても、自社の現状がわからないのではどのような項目でどういった効果を期待できるのかを客観的に説明できなくなるからです。
前提としてコンテンツマーケティングは、WEBに存在している顧客や新規ユーザーに対して何らかの効果をもたらすものでなくてはいけません。
コンテンツを展開している、あるいはこれから展開しようと考えているのはWEBであり、その評価を判断してくれるのも同じようにWEBで活動しているユーザーだからです。この場合、自社の現状を分析するためにはWEBのユーザーが現状で自社に対してどのような評価を与えているのかということを分析することが大切になります。
自社のどの製品に関心があるのか、どの年齢層が多く買い物をしてくれているのか、どういった経路でコンテンツに入ってきているのかを分析するわけです。これは、コンテンツを初めてWEBで展開しようと考えている企業も同様です。WEBに新規参入しようと考えている企業は、現状のユーザーが自社に対してどのような認識を抱いているのかを調べる必要があります。例えば、認知度があまりにも低い場合にはコンテンツを展開したとしても、ユーザーがやってくる見込みそのものがないことがわかります。そういった状況では、大手の企業が行っているようなマーケティングを行っても効果は期待できません。
現状にあわせてコンテンツマーケティングの手法を変えていけば、ユーザーの獲得に繋がるため最善の効果を期待できるわけです。
【コンテンツという曖昧なワードに惑わされないこと】
企画を上司やクライアントに提案する際に重要なポイントは、コンテンツという曖昧な表現を使わないことです。例えば、記事に相当する部分もサイトを構成しているコンテンツの一部分ですし、製品やサービスを紹介しているページもショッピングサイトを構成するための重要なコンテンツといえます。
コンテンツを充実させたい、コンテンツを強調したいと考えていてもどのテーマをマーケティングとして利用したいのかを考えておかないと、相手にその意図を伝えることができません。そうではなく、例えば自社が化粧品などに特化している会社であるのならば、まずは化粧品という一部分のコンテンツをマーケティングする、などといった提案を具体的にしておくのです。こうしておけば、相手にも伝わりやすいですし、何よりもまとめやすくなります。
実際に、化粧品を対象としているのは女性であり、ショップの購買履歴を分析しておけば年齢層も容易に確認できます。また、コンテンツマーケティングの手法は一つではありません。単純に内部対策としてコンテンツを充実させていくこともできますし、外部対策を利用してよりSEO的な側面を絡めながらコンテンツを主張していくこともできます。この場合、コンテンツの定義が曖昧だと外部対策で重要になるキーワードの選定やターゲットの明確化などもできなくなります。
そのため、コンテンツマーケティングを実践するときには曖昧な定義をせずに、どの部分をコンテンツと定義して主張するのかを明確にしておく必要があるでしょう。
【目標設定をしてゴールを決める】
コンテンツマーケティングを企画するときの最も大きな失敗は、目標設定を行わずに提案を行ってしまうことです。これは、特に経験の浅いWEB担当者が行ってしまう典型的な失敗例だといえます。
当然ですが、目標設定を行っておかないと最終的にどのような結果が欲しいかもわからないため、提案段階で何がしたいのかを伝えることができなくなります。この点、大手の企業ではコンテンツマーケティングの目標設定を新規ユーザーの獲得と利益の拡大にしています。
また目標設定を行うときには、具体的な数値を考えて結果を出すように工夫をしなくてはいけません。簡潔に述べると、1年後に利益を現在の120%にするなど、明確な目標設定をすることでそれまでのデータと比較してどの程度の効果を期待できるのかを説明しやすくなります。また、これと同時に大切なのがターゲットを決めておくことです。
実は、目標設定とターゲットの設定はセットで考えておく必要があります。幅広い製品を提供している大手の企業ならば別ですが、普通の企業はターゲットを絞って結果を出していくことが普通です。化粧品の会社が男性をターゲットにしても売上を大きく伸ばすことができないように、間違った設定を行ってしまうとコンテンツマーケティングとしての効果も期待することができなくなります。
コンテンツマーケティングを行う上で大切なのは、現状の評価からどの程度評価を向上させることができるのかということを常に考えることです。目標設定を行うと、その数値を客観的に把握できるようになるため、今後のマーケティングにも有効活用できるようになります。
【運用方法と費用対効果の視覚化が大切になる】
コンテンツマーケティングで忘れてはならないのは、誰がその運用と管理を行っていくのかを提案しておくことです。コンテンツの運用方法とそれに伴う費用対効果は、コンテンツマーケティングで最も重要になるポイントの一つであるといえます。
コンテンツを運用していく上で利益にならないのでは、継続的に運用する意味がありません。運用を行うためには、それを現実的に管理して維持するための人件費が必要になるからです。この人件費の高騰が、実は一般企業を圧迫させる原因となっています。
実際に、日本国内だけの調査に限定すると、国内でコンテンツマーケティングを利用した企業が最も多くの費用を使っているのが、この運用代行であるという明確なデータも存在します。
つまり、コンテンツマーケティングを行っていくためには、人件費が不可欠なのです。これは、企画を考えていく上で避けては通れない現状だといえます。既に述べたように、コンテンツというのは曖昧な表現であり、実際にはそこにかかる様々なコストを考えなくてはいけません。サーバー管理だけではなくコンテンツを維持するための更新作業、あるいは新たな内部対策や外部対策を行うためのSEO対策など、色々な形でコストが必要になります。
そして、こういった作業を行うのは人間であるためこのコストを避けることができません。その上で、きちんと結果を出すことができるという前提が必要なのです。ですから、運用方法を効率化させて費用対効果を明確に視覚化できれば、それだけ上司やクライアントから認められやすい企画を作ることができるようになります。
コンテンツマーケティングでは、曖昧な部分が非常に多くあります。実際に、とりあえず作ってみてそれから考えるという企業も少なくなくありません。それによって結局、費用対効果で大きな結果を出すことができなかったという現状を招くことになっています。コンテンツマーケティングでより良い企画を作るためには、こういった曖昧な部分をなくす必要があります。まずは自社の分析を行い、目標設定からターゲットを明確に決めていきます。そこから、どれだけの費用対効果を期待できるのか視覚化することで、上司やクライアントが納得するコンテンツマーケティングを実践できるようになるでしょう。