コンテンツマーケティングを展開して行く上で基本となるのがコンテンツの作成ですが、数を増やそうと焦るあまり質の良くないものやNGな記事を作成してしまうと、狙った効果が得られないばかりか不利益をもたらすことすらあります。コンテンツマーケティングには一歩間違うと企業の命取りにもなりかねない面もあり、NG記事の種類によっては企業としての信頼を失墜させ、謝罪やサイトの閉鎖という最悪の事態にもなりかねません。どういった記事がコンテンツマーケティングにおいてNGとされるのかをあらかじめしっかり把握して、それを作成しないよう注意しておく必要があります。
コンテンツマーケティングに限らずインターネット上で発表するどんなコンテンツにも共通しているのが、著作権侵害など法律上禁止されているNG行為を行わないことを徹底しておかなくてはなりません。コンテンツ作成の際、記事を外注で依頼するにしても、コピペや画像の盗用などのチェックは自社でも徹底して行う必要があります。記事の性質上ほかのサイトを参考にしたり記載されている内容を表現を変えて記述する必要に迫られた場合は特に注意が必要で、引用ではなく盗用になってしまうような微妙な表現などには常に目を光らせなくてはなりません。記事のタイプによっては景品表示法や薬事法に抵触していないかどうかにも細心の注意が必要で、自社の製品をアピールしようと熱が入るあまり誇大広告になっているような記事は景品表示法で不当表示と見なされ、宣伝に偏り過ぎたコンテンツという点でもNGとなります。医療や健康にかかわるコンテンツの場合は、根拠を明らかにせず安全性を強調する表現や確実な効果効能を謳っている内容など薬事法違反になるケースをあらかじめ知っておき、それに抵触しないよう細心の注意を払うことが重要です。医薬品やサプリメントなど、服用した本人の確かな実感だからといって自身の体験から効果の確実性を匂わせるような内容など、薬事法を考慮した場合グレーゾーンと思われる表現も避けておいたほうが安全と言えます。法律違反を犯しているコンテンツは内容の良し悪し以前の問題で、掲載自体が許されない記事となるため公開前に確実に気付くことができる万全のチェック体制を整えておく必要もあります。
魅力的なコンテンツを閲覧してもらい、ファンになってくれた人々が将来的に自社のサービスや製品を利用してくれる顧客になってくれることを期待して行うのがコンテンツマーケティングですが、自社サービスに多大な愛着と自信を持ち、少しでも多くの人に知ってもらいたいと気負い過ぎた場合もNG記事を書いてしまう恐れがあります。コンテンツマーケティングが宣伝の一環だと思い違いをしてしまうことで生じる失敗で、何らかの悩みや問題を抱えてインターネット検索を行っている人は解決に導いてくれる有益な情報を探しているのであって、広告宣伝を読むためではないことを肝に銘じておかなくてはなりません。ためになる情報を教えてもらえたからこそ、読み手は紹介されている製品やサービスが気になるようになり、それに関しても詳しく知りたいと思い始めます。その順番を間違えてしまうと、冒頭から宣伝めいた記事を書いてしまうことになり、ネットサーフィンで訪れた未来の顧客候補はすぐに別のページに遷移して二度と戻ってこない可能性大です。コンテンツマーケティングにおけるコンテンツはサービスや商品を宣伝するために行うのではなく、未来の顧客にまずは有益な情報を提供し満足してもらうためのツールと認識する必要があり、短期的視野で結果を出すという考えはNG記事に直結してしまいかねません。記事内容は情報提供がベースで宣伝めいた文章になっていなくてもページの随所に広告バナーが配されているのも閲覧者に疎ましく思われる恐れがあり、ページ全体のレイアウトにも気を遣う必要があります。
商品やサービスの宣伝ではなく、自社の業務内容にかかわるお役立ち情報のような記事の場合、その分野の情報を集めている人々にとっては非常に魅力的なコンテンツとなり、記事数が増えるほどにリピーターも増加して未来の顧客になってくれる可能性も高まります。検索によってコンテンツにたどり着いた人は記事内に記載されているキーワードによって導かれているだけに、書かれている内容を興味深く読み始めてくれる可能性が大きく、多少専門用語などが書かれていてもすでに知っているか文章を読みながら次第に理解し、望んでいた情報がしっかりと得られた場合、満足してほかの記事を読み始めたり、ブックマークしてリピーターになってくれるといった結果につながります。良い感触が得られてから登場してしまいがちなNG記事は、専門性が高まり過ぎてディープな内容に偏り過ぎたものです。業種によってはお役立ち情報のみを伝えようとしていても専門的な内容が出てしまうこともありますが、BtoB企業など主に同じ業種の人々に向けた専門性の高いコンテンツの場合は別として、年齢性別を問わず幅広い世代に向けてコンテンツマーケティングを展開していくのであれば、専門用語を駆使して詳しく語り過ぎるような記事はNGとなってしまいます。一つの題材を懇切丁寧に掘り下げて解説し、閲覧した人に知ってもらうための記事であっても専門用語をまったく知らない人にもストレスなく読めるように、可能な限り平易な言葉に置き換えながら書いて行く必要があります。あれもこれも知ってもらおうと説明を盛り込んでしまい、冗長な文章になることも避けなくてはなりません。
コンテンツマーケティングといえばSEO対策ということで、検索結果上位に表示されることを目指してキーワードを随所に盛り込んだ文章を作成することを心がけることが重要と考え、実行している企業は少なくありません。実際にSEO対策が功を奏して検索結果で上位となり、ネットサーフィンで訪れる人が記事を閲覧してくれる可能性が高まりますが、盛り込み過ぎたキーワードが鼻につくような文章になってしまい、肝心の内容が薄めとなっている場合はNG記事と言えます。検索で訪れた人に満足してもらえる記事でなければ好感度は上がらず、万全のSEO対策によって検索結果上位となって目立ったことが仇となって、多くの人に中身が今一つの記事と認定されてしまう心配もあります。行き過ぎたSEO対策のせいで専門家らの間で話題となり、それがきっかけとなって信ぴょう性がないなど記事内容が取り沙汰されてサイトが閉鎖されるに至った事例もあります。SEO対策は大事ですが、そればかりに気を取られて記事の中身が疎かになるのは本末転倒で、現在ではSEO対策の徹底よりも読みやすく自然な流れの文章であることを心がけ、肝心の内容をしっかり伝えているコンテンツであることのほうが重視されています。一時期むやみにSEO対策がとられるようになったこともあって、検索エンジンも量より質で評価するようになりました。今後のSEO対策はキーワードの盛り込みよりも、読み手が心から満足するような上質の記事を作成することが優先と考えておく必要があります。
魅力的なコンテンツ作成はコンテンツマーケティングの最重要課題ですが、コピペによる盗用以外では良い記事にしようと力が入り過ぎるあまりNG記事になってしまう事例が目立ちます。広告宣伝にならないようにするため雑談系の記事を続けたり、炎上を避けようと無難な話題に終始してしまうのもコンテンツマーケティングの本筋から外れるためNG記事になりかねません。記事内容が迷走してしまわないよう、事前にテーマやアウトラインをはっきりさせて軌道修正しながら続けることがNG記事になるのを避けるために重要で、常に適度なバランス感覚を持つことが大事です。