120%の満足を~良いコンテンツ制作の着目点~

コンテンツマーケティングにおける良いコンテンツとは一体何を指しているのだろうか。この問いに対し、以下の順序でまとめた。

1.コンテンツマーケティングについて

コンテンツマーケティングとは対象ユーザーにとってオンライン、オフラインを問わず価値あるコンテンツの提供を通じて、ファン化を促し収益性の高い顧客行動を生み出すことを指す。ファン化が意味することとして、中長期的な収入に結びつく顧客の獲得の成功を意味している。

2.コンテンツマーケティングにおける“成功”

コンテンツマーケティング成功の鍵は良質なコンテンツを作り、適切なタイミングで届けることである。これを行うと、「集客」「コンバージョン」「ブランディング」の三つを行うことが可能になる。良質なコンテンツ作りは、コンテンツマーケティングを進めていく上で大切な第一段階であり、根幹部分である。よって、この良質なコンテンツ作りは妥協を一切許さず行うことが成功につながるというわけである。

3.良質なコンテンツとは

では、良質なコンテンツとは何を指すのだろうか。簡潔に表すと、120%の満足感をユーザーに提供するコンテンツである。それを見た人は生活に役立つ正しい知識やノウハウを享受し、人生にとって確実にプラスになるものを得られるようなものである。
良質なコンテンツは読んだ人の人生の質を上げる。正しく役に立つ情報を発信するコンテンツは、読んだ人をより良い未来へ導くものとなる。また企業側からしても良質なコンテンツを発信することは、顧客のファン化を実現しスムーズに商品やサービスの販売を行うことができる。よって、中長期的な視点で利益を見込めるメリットがある。

4.良質なコンテンツの判断基準

作成したコンテンツの質が高いか否かはとても簡単に判断することができる。なぜならコンテンツの質が高ければ成果が出る。一方でコンテンツの質が低ければ思うように成果が出ない。成果の有無はコンテンツ次第ということだ。

5.顕在ニーズと潜在ニーズ

良質なコンテンツの作成をするにあたって、ユーザーが本当に求めているコンテンツを深く理解するために、顕在ニーズと潜在ニーズについて理解している必要がある。
一つ目の顕在ニーズは、検索ユーザーが求めている情報そのもののことを指す。この段階では、すでにユーザーが“行動したい”と考えている可能性が高い。すなわち、ユーザー自身がニーズを意識、認識できているため、既に解決策を考えていると思われる。
二つ目の潜在ニーズは、ユーザーがその情報を知ることによって、解決したいと思っている悩み、又は実現したいと思っている願望を指す。この段階は、顧客が解決したい問題についてすぐに手を打つ必要性を感じていない場合が多く、その情報について“知りたい”と思っている状態である。ユーザー自身が、ニーズをはっきりと意識、認識できていないためそのコンテンツにユーザーが出会ったとき強烈に興味を抱く可能性を秘めている。

6.潜在ニーズを考えるべき理由とそれが秘める可能性について

コンテンツマーケティングで考えるべきニーズは潜在ニーズである。良質なコンテンツはユーザーを120%満足させることができる。コンテンツマーケティングにおける、潜在的なニーズを満たすことは、ユーザーに新たな気づきを与え幸福を実現することにつながるからである。このようにこそ良質なコンテンツなのだ。
一説によると、人間の思考の95%は無自覚に起こっているようである。つまり、人は思考の5%しか自分で認識できていないということだ。顧客の声として表れる要求に完璧に応えることはもちろん大切だが、これではニーズ全体の5%満たしているに過ぎない。残り95%の潜在ニーズをコンテンツ作成側が予測し、先手を取って“知りたい”の解決策を提案するとどうだろうか。ユーザー自身が自覚できていなかったニーズに働きかけることは、新たな喜びや驚きを与えることができ、ユーザーの幸福を生み出すのだ。
ユーザーが検索した悩み=顕在ニーズを完璧に解決するだけではなく、その先にある潜在ニーズを理解し、解決することがユーザーを120%満足させることにつながるのである。

7.明確なターゲット設定

コンテンツマーケティングで良いコンテンツを作成するためには、誰をターゲットにするかを明確に定めることへ強くこだわる必要がある。ターゲットは、まだ取り込むことができていないが、ビジネスにおいて最も理想的な見込み客を設定すべきである。なぜなら、コンテンツマーケティングは、これから獲得したい潜在的な見込み客を獲得するための手段だからである。そのうえで次に明確にターゲットを設定するためにすべきことが二つある。一つ目にデモグラフィックの設定、二つ目にペルソナの設定である。

8.デモグラフィックとペルソナ

一つ目のデモグラフィックでは性別・年齢・職種・所得・世帯規模・学歴・住所を設定する。デモグラフィックは比較的変化の少ないデータであり、顧客を知るための基本的なものである。実際の顧客のニーズや製品・サービスの使用率などと密接に結び付いていく。
二つ目のペルソナでは、企業が提供する製品・サービスにとって、もっとも重要で象徴的なユーザーモデルである。ユーザーのライフスタイル・思考の傾向・悩み/ストレス・願望、さらには1人の性格や感情、風貌が見えてくるくらい詳細に設定することが望ましい。ペルソナの制定は、統一的な製品イメージを関係者間で常に共有して、ユーザーを満足させるコンテンツを作成するために必要である。誰もがいいなと感じるコンテンツを作るのではなく狙いを定めたターゲットを惹きつけるために構成を考えていく必要があるのだ。
また、コンテンツはチームで作成したものが好ましい。一人で作成を行うとどうしても、考えや当たり前の基準に偏りが出てしまうからである。さらに、良いコンテンツを作成するまでの道のりは非常に長いものであり、簡単に結果が出ずモチベーションの維持が難しくなる可能性もある。一方、チームで作成に取り組むことができた場合、チームのメンバーで励ましあい、粘り強く前を向いて取り組むことができるはずだ。これらの理由から、チームで作成されたコンテンツは良いコンテンツということができる。

9.コンテンツマーケティングに対する姿勢

コンテンツマーケティングは、ユーザーを幸福へと導くためにコンテンツへのこだわりを追求し続けることが成功につながる。そのためには、ユーザーが求めるものと完全にマッチした情報を届け、さらにはユーザーの持つ潜在的な悩みや願望を完璧に解決する“良質なコンテンツ”が必要不可欠である。
「どのように売るか」ではなく、「どれだけ素晴らしい価値を世の中に与えるか?」かに注力する姿勢を忘れてはならない。コンテンツ作成者は第一に提供することを考え、その対価として利益を受け取ることができるのだ。ユーザーに対して提供する価値が大きければ大きいほど見返りが大きくなる。利益第一で考えたコンテンツは正確さを欠いていたり、言葉巧みにユーザーを洗脳する方向に力が入っていたりする。これでは、コンテンツの目指す幸福とはかけ離れたものを与えてしまうことになるだろう。

まとめ:良いコンテンツとは

ユーザーニーズに何としてでも応えたい熱い心を原動力に、時間と労力を惜しまず試行錯誤を続けた結果、120%の満足がユーザーに届く。この結果出来上がったコンテンツには、お金で買うことのできない信頼や誠実さをユーザーに伝えることができる。ユーザーに対する愛、それをもって作成したものこそが“良いコンテンツ”の意味するところである。