3秒で読み手の興味を惹きつけるための実践すべきWebライティングの工夫

Webライターに与えられた時間はわずか3秒

WEBと本や作文とでは、読み手の目的意識に大きな意識に差がある。なぜなら、WEBの場合、本や作文とは違って、読み手が検索という行為を行っていることが多くなっている。検索という行為をするということは、読み手が、何らかの興味や目的があって、自らキーワードを入れているということになる。そのため、読み手はその記事に自分が求めている情報がないと判断すれば、その文章を読むことはない
また、読み手というのは、そのページに本当に自分の求めている情報があるのか判断するまでの時間は約3秒といわれている。
つまりその3秒で読み手の興味を勝ち取らなければいけなのである。では、どのようにしてその3秒でサイト閲覧者に興味をもたせるのか。以下の3つを実践することがとても重要になってくる。

  • 「見出し」を熟考すること
  • 文章構成
  • 小学生でもわかる文章

「見出し」を熟考すること

まず、見出しの役割は、読み手に記事の内容をわかりやすく伝えることである。基本的にインターネット検索をするユーザーは短時間で情報を取集したいと考えている。そこで、見出しを使って記事のポイントを示すことで、読者は欲しい情報をすぐに探すことができる。

そこで見出しの書き方のポイントは大きく分けて3つある。

  • ・その項目で伝えたいことを集約する
  • ・文章が不自然にならないようにキーワードを入れる
  • ・見出しの大→細の構造

まず、見出しの役割は読み手に書かれている内容を端的に伝えることである。そのためには、その項目に書かれている内容を短くまとめて書く必要があり、それを実践することで読み手はもちろん、検索エンジンのクローラーもその記事の内容が把握しやすくなる
またWebライティングでは、まず大きなタイトルがあり、次に、大見出し、中見出し、小見出しが配置され、それぞれに適宜導入文や本文が付くという形になっている。それにより、

タイトルで訪れた時に、何が書かれたページかが瞬時にわかる

大見出しを見て大まかな内容がわかる

中・小見出しを見て詳しい内容がわかる

本文を読んで詳細を理解する

といった、読み手の情報理解を手助けする流れが可能になり、読み手の興味を見出しからコンテンツ全体に惹きつけることが可能になる。
サイトの文章は「読むためのものではなく、チェックするためのもの」とも言われる。すべてを読みたい人にも、大まかな理解だけで十分な人にも、また必要な情報だけが欲しい人にも親切なのが、この見出しの「大→細」の構造を理解する必要がある。

学生時代に習った文章構成ではない

私たちが学生時代に習ってきた最も基本的な文章構成は「起承転結」だが、Webライティングではそれがあまり通用しない。結論が最後に来ている起承転結の文章構成は、Webライティングでは、読み手が、「自分が必要としている情報はここにはない」と判断を下す可能性が高いからである。与えられた3秒で読み手の注意を惹きつけなければいけないのに、最も大切な情報を一番最後まで引き延ばすことはできない。

そこで、よくWebライティングで使われる文章構成は以下の2つである

SDS法
SDS法とは以下のような文章の構成をいう。

  • S: Summary (要約)
  • D: Details(詳細)
  • S: Summary(要約)

つまり、まず、ページの一番頭で、ページ全体の要約を入れ、そのあとに詳しい詳細、そして最後にもう一度まとめという形で要約を入れる文の構成である。

PREP法
Webライティングの文章構成として、SDS法の次に挙げられるのが、PREP法である。

  • P: Point (要約)
  • R: Reason(理由)
  • E: Example(具体例)
  • P: Point(要約)

ここでポイントなのが、R: Reason(理由)には、客観的な文章、E: Example(具体例)には、主観的な文章といったように、主客を織り交ぜることで、読み手の説得力が増す。そのため、」商品を販売する際のWebライティングでは、PREP法で、主客を織り交ぜながら書くのが非常に有効である。

また、以下のような方法も非常に有効である。

マイナス・プラス法
ある商品にマイナス面とプラス面があるとする。その商品を紹介する際、最後マイナス面を書くと、読み手にはネガティブな印象が残る。だからといって、マイナス面から書き始めても印象がよくない。プラスで書き始め、マイナスを挿入し、最後にプラスで締めるのがよい。とくに、マイナス面というのは読み手の反論を想定して書くことが必要である。少しでも読み手に反論があると、読み手もそのページを信頼できなくなってしまう。読み手の反論を想定し、その反論にこたえる文章を書いていくと非常に効果的である。

説得技法
文章を書くということは、相手を説得することと同じである。相手と交渉するつもりで主張を展開する必要がある。文章の中で、相手を説得する方法に以下のような方法がある。

  • 功利的説得: 相手が得をする行動を進める(その商品がセール中であることを説明して、得をすることを伝える)
  • 規律的説得: 相手のモラルに訴える(相手の立場を利用して、その商品を持つ必要があることを訴える)
  • 情緒的説得: 相手の感情をアピールする(その商品を手にすれば感動することを伝える)

これらを使うことで、実際に面と向かって話すときと同じように、文章の中でも読み手を説得することができる。また、「あなた」という一人称を使うことによってより、読み手の注意を引きつけることができ、より説得力が増す。

小学生でもわかる文章を

小学生でも分かるくらいの漢字、熟語、表現を使うと、読み手にとって読みやすい文章になる。これは決して、読み手をバカにしているわけではなく、難しい漢字や、難しい四字熟語、専門用語だらけの文章は、単純に読み手の興味が薄れるのである。
少しでも分からない文章があれば、「なんか分かりにくい文章だな…」と、読者はそのWEBページから離脱してしまう。小学校高学年でも理解できるような文章を書くことを意識する必要がある。
しかしながら、どうしても難しい言葉や抽象的な言葉、イメージが人それぞれ違うであろう言葉を利用しなければいけない時は、
その定義を記事内で共有していくこと
がポイントとなる。定義の共有をしないと認識のずれが起こり、読者にとってわかりづらい文章になってしまう可能性があるからである。

さらに、分かりにくい(実感しにくい)話は
たとえ話をいれる
ことも非常に有効である。たとえ話を入れることで、読み手の理解のしやすさが格段に上がる。言葉で説明することが難しい内容は、それこそ小学生でも理解できるくらいの簡単なたとえ話を入れていくことを意識する。

また、もう一つ有効なのが、
画像やグラフ、表を多用して分かりやすく説明すること
である。文章だけでは伝わりづらいことも、画像が大部分を補足してくれる。特に、難しいテーマを扱った解説を行う場合は、その概念と概念がどうつながっているのかを文章のみで追っていくのは限界があり、「難しい」「よく分からない」というだけでユーザーが離脱してしまう。そこで、概念図、マップ、フロー図、因果関係図などを途中途中で差し込むことで、ユーザーの離脱率を下げることができる。画像や写真、グラフや動画などは、テキストに比べて情報量が何十倍から何百倍も違う。
しかしここで注意しなければいけないのが、「画像は横長で統一すること」である。また、記事内容に画像を差し込む場合はその周辺箇所にある文章の内容を、端的に示す画像を用意するように心がける必要がある。

正しい文法で完璧な文章に

読み手が、そのページに本当に自分の求めている情報があるのか判断するまでの時間は約3秒といわれているなか、その3秒でどのように興味を惹きつけるのかということについてこれまで述べてきた。
しかし、これらと同じぐらいに重要なのが、正しい日本語や、正しい文法を使うことである。主語、述語がちぐはぐになっていないか、1文がだらだらしていないか、助詞は正しく使えているか、指示語や代名詞は使いすぎていないか、そして誤字脱字はないかなど、注意しなければいけないことが山ほどある。
3秒で読み手の注意を惹きつけ、最後まで読み手が離脱しないようなライティング技術を身につけることが重要である。

参考文献
『Webライターは覚えておきたい!Webライティングに必要な基本の文章力』閲覧日2020年4月20日 「http://ferret-plus.com/12756
『そもそもWEBライティングって何?初心者のためのWEBライティング講座に行ってみた』閲覧日2020年4月20日「https://www.peko.co.jp/seo/seo-lighting/web-writing-course-for-beginners
『コピーライターに学ぶ、読み手を「動かす」コンテンツ作りの7つの手法』閲覧日2020年4月20日http://contentmarketinglab.jp/trend-in-usa/copywriting-strategies.html
『読みやすい文章を書くための技法』閲覧日2020年4月20日「http://ryoanna.hatenablog.com/entry/20100824/1282660678