いまさら人には聞けないオウンドメディアとは?|コンテンツマーケティングとの違いは?

メディア戦略に積極的な企業の間では、オウンドメディアへの関心が高まっています。様々な広告代理店やweb製作会社などがオウンドメディアの提案を行っており、実際にオウンドメディアの運営に取り組む企業の数が増えているようです。ただし流行っているからといって安易にオウンドメディアを採用しても、必ずしも十分な効果が得られるとは限りません。オウンドメディアを取り入れるのであればまずはその特徴やメリットなどをしっかりと理解した上で、効果的な方法で立ち上げることが必要だといえるでしょう。オウンドメディアとはどのようなメディアのことなのか、さらにその特徴やメリットなどについて、コンテンツマーケティングなどと比較しながら確認してみたいと思います。

【オウンドメディアとはどのようなメディアのことなのでしょうか?】

オウンドメディアとは英語の「OwnedMedia」に基づいた和製英語であり、企業自らが所有するメディアのことになります。従来は企業の活動や商材を顧客に知ってもらうために、テレビや雑誌などのメディアへの広告出稿を行うことが幅広く行われていました。このような広告費を支払って宣伝をしてもらう旧来のタイプのメディアは、メディア戦略においてはペイドメディアと呼ばれています。一方で21世紀のIT時代には誰でも情報の発信が可能となったことや、メディアの種類が多様化したことにより、他社メディアや一般の人が運営するブログやSNSで情報を取り上げてもらうことの重要性が注目されるようになりました。これがアーンドメディアと呼ばれる新しいメディアであり、取材による情報の発信やインターネット上の口コミ情報などが該当します。このアーンドメディアの考え方をさらに推し進めたのがオウンドメディアであり、企業自らが主体となって情報の発信を行っていくことが大きな特徴です。具体的には自社が所有する企業ホームページや企業ブログや各種SNSの企業アカウントなどを活用して、企業活動や商材などを直接顧客にアピールすることができます。ペイドメディア・アーンドメディア・オウンドメディアにはそれぞれ、情報の仲介者・情報の拡散者・情報の発信者という役割があるのです。

【オウンドメディアにはどのような特徴やメリットがある?】

次はオウンドメディアの特徴やメリットについて、さらに詳しくチェックしてみましょう。まずはオウンドメディアにはインターネットを活用して、顧客へと有益な情報を直接届けることができるという特徴があります。オウンドメディアは企業の商品やサービスを実際に購入した顧客はもちろんですが、その商品やサービスの存在に興味を持っている将来の見込み顧客、さらに商品やサービスを知ることで購入の可能性がある潜在顧客などに情報を発信することができるのです。これらの顧客に製品やサービスの魅力や各種お役立ち情報を届けることにより、自社の製品やサービスを他者に積極的に勧めてくれるリピーター(優良顧客)へと育成することができます。さらにオウンドメディアには、アーンドメディアやペイドメディアに対しても間接的に情報を発信することができます。オウンドメディアが発信する情報は特定分野の情報を求めているアーンドメディアの発信者にも伝わり、二次情報としての発信が期待できるのです。さらにアーンドメディアを経由してペイドメディアの運営者にも情報が伝わり、より効率的な広告活動のサポートが可能になります。オウンドメディアはこれら3種類のメディアの弱点をお互いに補完し、それぞれを有効に活用するためのハブ(中心)としての役割を果たすのです。

【コンテンツマーケティングとはどのような戦略?】

テレビコマーシャルや新聞や雑誌の広告などのマスマーケティングの対極となる戦略が、コンテンツマーケティングです。マスマーケティングとは各種広告媒体を活用して、ユーザーに対して企業の製品やサービスのイメージを伝え購買を促す広告戦略のことになります。マスマーケティングはプッシュ型広告とも呼ばれ、企業の商品やサービスに興味を持ち購入を迷っている顧客の背中を押す効果がありますが、広告であることが明らかであるため興味のない人に対してはむしろ悪印象を与えてしまうというデメリットがあるのです。一方のコンテンツマーケッティングは自ら情報を求める顧客にアピールすることを目的とした広告戦略であり、プル型広告とも呼ばれています。商品やサービスに興味を持つユーザーに各種情報を提供することで、商品やサービスへのニーズが生まれて見込み顧客や実際の顧客へと変化していくことになります。コンテンツマーケッティングは様々な情報プラットフォームで行われ、具体的にはインターネットの情報や書籍やDVD、さらダイレクトメールなどの各種郵送物が活用されます。コンテンツマーケティングでは情報を継続的に提供すること、ユーザーが自らの意思で情報を取得できること、ユーザーに有益な情報を提供すること、企業や商品の価値を情報を通してユーザーにしっかりと伝えることが重要なポイントになります。

【オウンドメディアとコンテンツマーケティングにはどのような違いがある?】

それではオウンドメディアとコンテンツマーケティングを比較した場合には、具体的にはどのような違いがあるのでしょうか。オウンドメディアもコンテンツマーケティングもユーザーに直接情報を発信するという点では共通であり、オウンドメディアは広い意味におけるコンテンツマーケティングに該当します。あるいは様々な情報プラットフォームを活用して行われるコンテンツマーケティングの中で、webにおける情報発信に特化したものがオウンドメディアだと考えることができるでしょう。オウンドメディアはダイレクトメールなどの他の手段によりコンテンツマーケティングとは異なり、あまり費用をかけることなく特定のユーザーに情報を発信することができます。更に各種のお役立ち情報などユーザーに有益で魅力的なコンテンツを作成することで、将来の見込みユーザーや潜在ユーザーを囲い込むことができるのです。ただし近年では様々な企業がオウンドメディアを活用していますので、単なるお役立ち情報の発信だけでは不十分かもしれません。これからのオウンドメディアにはユーザーとの関係を構築するための双方向性によるコミュニケーション活動や、さらに従来型のメディアであるアーンドメディアやペイドメディアとの連携の強化などが必要とされています。

今回はオウンドメディアとはどのようなメディアのことなのか、オウンドメディアにはどのような特徴やメリットがあるのか、さらにコンテンツマーケティングとの違いなどについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか。コンテンツマーケティングを成功させるためには、まずはユーザーにとって有益な情報を提供することが重要なポイントになります。オウンドメディアを実際に運営する際にはユーザー自らが疑問や質問を解決できるような、痒い所に手が届く情報の掲載を心がけてください。さらにユーザーが魅力を感じる充実した優良なコンテンツを揃えることは、そのままSEO対策に効果を発揮することになります。Google等の検索エンジンで上位に表示されることで訪問者が増えて、さらに企業が提供する商品やサービスに興味を持つユーザーが増加するという好循環が生まれるのです。