現在、日本は少子高齢化や団塊世代の定年退職などによって、能力のある人を求める傾向が増えています。好景気ということもあり、企業は求人を増やして人材を求め、より企業体力をつける傾向があるようです。とはいえ、求職活動を行っている企業の場合、一般的な求人を出したり高額な人材コンサルなどを活用しても、あまりいい人材が来ないという傾向もあります。というのも、今の時代はネットを通じた求人がとても多く、ネット閲覧者も辟易しているのです。
そんな時、コンテンツマーケティングを行っている企業であれば、人材採用の面では有利になるかもしれません。格段に有利になる理由を見ていきましょう。
【制度が充実した企業に行きたい人の増加】
コンテンツマーケティングを行う最も大きな理由のひとつとしては、このところ企業に応募する人は「制度が充実した企業に行きたい」という希望が増えていることと、それをアピールする場所が必要になるためです。
というのも、日本のオフィスの環境はある程度整っています。企業内では様々な工夫を行っており、例えばフリーアドレス制にしたり、パソコンの活用などを行ってより働きやすい環境を作っているでしょう。ですが、このような折角の内容もアピールしなくては求職者の目に届きません。
基本的に企業が様々な工夫を行っていることを細かく紹介することは重要です。日本人の場合、あまり広告……宣伝が得意ではない傾向があるため、魅力的な制度を持っていたとしても宣伝できない企業がかなり多いのです。
このため、コンテンツマーケティングを行うことにより、企業内での様々な制度やあまり知られていないサービスを広く世の中に宣伝することができるでしょう。社内で快適に働くための設備が整っていたり、教育制度がしっかりしているなどの魅力をアピールすることはとても重要なので、この様なアピールができる企業と出来ない企業では大きく求職者から魅力的と思われる度合いや応募数が変わってきます。
特にこれは中小企業に顕著です。中小企業の場合、基本的に大きな求人を打つことは難しい場合が多いでしょう。ですがはたらく人のための制度が充実しているのであれば、そこから優秀な人が応募してくる可能性がとても高くなっています。このため、積極的に宣伝するように心がけましょう。
【思っている以上に知名度が高くなる】
コンテンツマーケティングを行うもう一つの理由としては、自分たちが思っている以上に様々なアピールができる可能性がとても高いということです。
現在の求職者は様々な需要を持っていますが、その1つがより個性的な企業で働きたいという希望です。面白い、ユニークな、働く上で有利、自分の個性が活かせそう、というような企業は、そのまま隠れた人気企業となり、多くの人から注目される可能性があります。
この場合、そのコンテンツマーケティングでの中身もとても重要です。というのも、コンテンツマーケティングを行う時に企業としてただ必要な情報を垂れ流すだけではとてもコンテンツが充実するとはいい難いでしょう。読んでいる人にとって分かりやすいコンテンツはそのままその企業の魅力をアピールします。また、面白いコンテンツはそのまま特定の層にアピールできるのです。最近ではSNSによる拡散の大きさやそれぞれの規模の大きさなども期待できるかもしれません。
実はこうやって面白いコンテンツを積み重ねて、企業が発信するコンテンツがとても面白いものになると、人々はその企業に好感を持ちます。また、求職者の場合は面白いコンテンツがある企業はそのまま面白いことをしている企業だというふうに捉えられるため、場合によっては他社の求人より有利な企業となる可能性があるのです。
特に、今ではテレビやラジオなどで広く宣伝していなくても、口コミやSNSからの拡散が期待できます。メディアに取り上げられなくても個性的な企業だと判断されるようになるために、コンテンツに力を入れる企業が増えている傾向は否定できません。
【ニッチな層にダイレクトにアピールできる】
また、コンテンツマーケティングによってニッチな層にダイレクトにアピールできるのです。これは会社で思っている以上の効果をもたらすかもしれません。
というのも、現在のネット広告や検索結果は、それまでの過去の履歴に依存します。過去の履歴というのは例えばそれまでに検索した結果やクリックした広告、また、それらを見ることや見た後の行動などをチェックしているのです。このため、例えば専門的なジャンルのことを検索したり広告をクリックしている人にとっては、その様な検索行動や広告クリックを繰り返すことで、コンテンツマーケティング内の専門的な内容にアクセスできるかもしれません。
これはむしろ、知名度の低い企業の方がより有利になるかもしれません。中にはBtoBを中心とした、あまり知名度が高くない企業もあるでしょう。知名度が高くなくても個性的なことや先進的なことを行っている企業の場合、大半は人に紹介されたり何らかの形で知られないとその企業の存在を知ることが出来ず、また応募すらされません。その状況をもしかしたら改善できるかもしれないのがコンテンツマーケティングの良さでもあるのです。コンテンツマーケティングを行うことによって特定の層に自社をアピールすることが出来ますし、そのニッチな企業の中でも特に知られるようになる可能性が格段に上がる、というメリットがあります。特に様々な職種を広く募集するわけではない企業や、特定の技術を持った人達を多く採用したいという企業にとっては、コンテンツマーケティングによる企業の知名度アップは特定の層に出来ればよいのですから、その点ではとても有利といえるでしょう。特にネット上の競合が少ない、できるだけ早い段階から始めるのがオススメです。
【どこにも依存しないからこそ、独自性が高い】
最後に、コンテンツマーケティングを行うことによる求職者向けのアピールのメリットとしては、どこにも依存しないというのが大きなポイントです。
コンテンツマーケティングは基本的に、特定のサービス内や企業サイト内で行うことが多いものです。様々な企業がある中でも、特定のサービス内や企業内でのコンテンツマーケティングを行うことは、第三者となる他社や他のサービスに対しての依存率を下げてくれます。
これは、その企業が終了したり、その企業やサービスが悪質なものであるという可能性を下げることが出来ます。最初は良くても後から高額請求がきたり、第三者の各種権利を侵害するようなコンテンツマーケティングを行う企業もある中で、自社内で行うコンテンツマーケティングは他社からの影響をある程度抑えることができる可能性を秘めています。コンサルタントに高い費用を支払って悪質なサポートしか受けられないというようなことを防いだり、あまりに専門的すぎて企業内でハンドル出来ないという可能性も減らせるでしょう。
特に大規模な募集をしづらかったり、企業体力が弱いからこそ自社内でなんとかしようと思った時に、この傾向はとても有利になります。企業内でのノウハウが集まることによって、企業内でもより活用することができるでしょう。また、そこから会社での独自活用ができるようになり、他社や他のサービスの依存度を大きく下げることが出来ます。経費削減やオリジナリティのあるコンテンツを作る可能性が高くなるのです。
